グループ展用の写真のプリントがやっと終わった。
プリントの明るさとコントラストの調整にとても苦戦した。もう少し煮詰めるべきだったかもしれないが、もうヘトヘトだし、ここから先は時間を掛けても効果が少ないと思われて、切り上げることにした。このへんは今後の課題ということだ。
額装業者にお願いしてパネル貼りと搬入までやってもらうことにしたので、写真についてはもうやることはない。あとはキャプションを練るのみ。
今日は新宿のコニミノギャラリーへ、中藤毅彦写真展を見に行った。ブルガリアで撮影したモノクロのスナップだ。銀粒子の特徴を生かした独特のマチエールで、街をスピーディーに活写している。斜光を活かして強いハイライトと強いシャドーを作り、ハイライトは飛ばし、シャドーは潰し、弱いハイライトから中間調にかけての階調を粒子で表現している。
カッコよさに唸る。いつか是非手に入れたいプリントである。
ちょうど、写真学校の生徒の一団が見学に来ていて、中藤さんを囲んで質問をしているところだった。ある生徒が、「スナップで人を撮るのは難しいと思うが、どうしているのか」と質問した。
中藤さんはこんなようなことを言っておられた。
人を撮るのはいつもドキドキする。了解を得て撮るときもあるが、スナップである以上、そうでない場合もある。了解を得ないで撮ってトラブルになることがあったとしても、それは仕方がないと諦めている。(撮った自分の責任であって、責任を引き受けられないなら撮るべきでないというニュアンスに受け取れた) ひとついえるのは、撮った後がポイントで、会釈したり微笑みかけたりして、相手を不快にさせぬようにすることが大切だ、とも。
そんな覚悟のない私は、スナップはやめておいたほうが無難なようだ。